前立腺がんの治療方法の種類
●四つの前立腺がん治療法
医師は、ガンのある場所と病期(ステージ)や年齢、今までの病気や現在の状態から、治療の方法を計画します。その前立腺がんの治療法としては、ホルモン療法、外科療法、放射線療法、化学療法の4種類があります。
○ホルモン療法(内分泌療法とも言います)
前立腺がんの治療として最も有効で、基本となる治療法です。前立腺がんは、男性ホルモンの影響を受けて増殖することが多いガンで、男性ホルモンは脳の一部である下垂体から出るホルモン(LH-RH)により刺激を受けて、精巣と副腎から分泌されます。治療のおおまかな方法としては、この男性ホルモンがつくられる過程を抑えるか、前立腺に作用しないようにするのです。従来から行われていたのは男性ホルモンが多くつくられる精巣自体を摘除する方法(去勢術)です。これは麻酔により痛みをとり除き、下腹部や陰嚢部に切開を加え、両側の精巣をとり出します。その他の方法は、男性ホルモンを抑える作用がある女性ホルモンや抗男性ホルモン剤を1日に数回内服する方法や、下垂体に作用して男性ホルモンを去勢術を施行した時と同じくらいに低下させる薬(LH-RHアナログ)を1ヶ月、あるいは3ヶ月に1回皮下注射する方法です。いずれの方法も治療効果には差がありません。
○外科療法
ガンが前立腺内に限局(前立腺の中にとどまっていること)している時、手術によりガンをとり除く方法です。下腹部を切開し、恥骨の裏側にある前立腺を摘除(取り除くことです)し、膀胱と尿道を吻合します。この時、リンパ節に転移があるかを調べます。ガンが前立腺被膜を少し越えている場合でも、転移がなければホルモン治療を一緒に併用して手術をすることがあります。
○放射線療法
高エネルギ-の放射線を使ってがん細胞を殺す方法です。前立腺がんの場合、通常は身体の外から患部である前立腺に放射線を照射します。一般的に1日1回、週5回照射し、5週間から6週間の治療期間が必要とされます。 また骨への転移のための強い疼痛や骨折の危険が高い部位に、放射線治療を行うことがあります。
○化学療法
ホルモン治療が有効でないときや、ホルモン治療の効果がなくなってしまった時に行う治療です。点滴を用いる場合は、通常2種類以上の抗がん剤を用いて八週間以上をかけて行います。ホルモン療法と同じように全身に作用しますが、効果が続く期間が短く、有効性を認めない医師も多くいます。
●前立腺がんの包括的治療法
ホルモン療法を中心に行って、ガンが局所にとどまっていれば、外科療法や放射線療法を加える方法がとられています。前立腺がんは比較的進行が遅く、高齢者にみられることが多いことから、最近は前立腺内に限局していれば無治療で経過を観察し、がんが進行した場合はホルモン療法で対処すればよいとの治療方針を述べている医師もいます。事実、転移をしたがんであってもホルモン療法のみで経過をみると、ガンによる死亡者より他の原因で亡くなる方のほうが多くなっています。また、いずれの治療法にも副作用があるのです。
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