外科療法
●外科的手術療法
手術には、前立腺全摘除術(ぜんりつせんぜんてきじょじゅつ)と精巣除去術(せいそうじょきょじゅつ、または除睾術・じょこうじゅつ と呼びます)があります。前立腺全摘除術は、がんを含めた前立腺、精嚢、リンパ節を取ってしまう方法です。精巣除去術は精巣(睾丸)を取ることによって体内で作られる男性ホルモンをなくそうとするもので「内分泌療法」にも含まれます。
前立腺がんの根治的(こんちてき・完全に、根本から治すという意味です)手術療法としては、「前立腺全摘除術・ぜんりつせんぜんてきじょじゅつ」が行われます。前立腺全摘除術は全身麻酔をした上で、開腹して前立腺と精嚢を切除し、さらに膀胱と尿道をつなぎ合わせる手術です。手術時間は通常3~4時間程度で、2週間程度の入院が必要になります。体への負担が大きいため、高齢者や全身状態がよくない人には適応しません。全身状態が良好で、余命が10年以上見込める患者さんに行うべきと考えられています。
●外科療法が使われる病期(ステージ)
転移がないステージBくらいまでであれば、前立腺全摘除術によって完全に治る可能性が高いとされています。特に低分化型(悪性度の高いもの)であれば、この方法が現在最も効果の高い治療方法です。別の分類法であらわすならば、ガンが前立腺内にとどまっている病期 I 、II 期の患者さんにおいては、前立腺前摘除術は完全に治る可能性がもっとも高い治療法です。病期 III 期の患者さんの場合は、はじめに内分泌療法でがんを小さくしてから手術を行ったり、手術の後に放射線療法や内分泌療法を行うことがあります。
前立腺全摘除術の手術時には、尿漏れを防ぐ尿道括約筋や勃起に関係する神経を傷つけることがあるため、尿漏れや勃起障害といった合併症が起こる場合もあります。
●外科療法のおもな副作用
手術は全身麻酔で約五、六時間もかかるため、かなりの体力と約4週間の入院が必要となります。このことも外科療法のデメリットにあげられます。また手術の早期合併症として、出血による輸血の可能性。リンパ節郭清(かくせい・リンパ節を切除すること)後のリンパ液の貯留と炎症。縫合不全(ほうごうふぜん・縫い合わせたところがうまくくっつかないことです)などがあります。リンパ液や膿がたまった時はこれらの排出を促し、状況により抗生剤の投与を行います。縫合不全に対しては、消毒と栄養状態の改善に務めることで対処します。後期合併症として、尿失禁、インポテンツ(勃起障害)、尿道狭窄などがあります。尿失禁に対しては、骨盤筋群の強化、薬物投与などで対処します。インポテンツは手術操作中に神経を切断することによりおこるため、有効な治療法はありません。尿道狭窄に対しては、尿道を定期的に拡張することで対処します。
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